「ゲーム」問題な日本語・ことばの使い方・表現・ことわざ・慣用句の表現 (1)
下の2つの文をくらべてみて、不適切な表現はどこ?
1、石の上にも 三年
石の上にも 八年
正解:
石の上にも【八年】
ポイント:
「八年」が不適切で、正しくは「三年」。「石の上にも三年」は、物事は辛くとも根気よく続ければ、最後にはきっと成功するということ。冷たい石も三年座り続ければ暖かくなる意から。
2、話の 口火を切る
話の 口火をつける
3、歌なら 彼の 右に 出る者がいない
歌なら 彼の 左に 出る者がいない
正解:
歌なら彼の【左に】出る者がいない
ポイント:
「左に」が不適切で、正しくは「右に」。「~の右に出る者がいない」は、その人が最高にすぐれているという意味。「右」は上位の意。古来、座席は右の方が上席としたことからいう。
4、うわさが 世間の 口に上がる
うわさが 世間の 口に上る
「口に上がる」が不適切で、正しくは「口に上(のぼ)る」。「口に上る」は、うわさになる、話題になる、という意味。うわさにする、話題にする意では「口に上(のぼ)せる」という。
5、教師の 風上にも 置けない
教師の 風下にも 置けない
正解:
教師の【風下にも】置けない
ポイント:
「風下にも」が不適切で、正しくは「風上(かざかみ)にも」。「風上にも置けない」は、性質や行動の卑劣な人間をののしっていう語。仲間にもとして同等に払えないほど卑劣だということ。悪臭を放つものは風上には置けない意から。
6、手と手を取って 逃げる
手に手を取って 逃げる
正解:
【手と手を取って】逃げる
ポイント:
「手と手を取って」が不適切で、正しくは「手に手を取って」。「手に手を取る」は、互いに手を取り合う、また、(手を取り合って)二人が行動をともにするという意味。互いに相手の手を握る意からいう。
7、水を打ったような 静けさ
水をまいたような 静けさ
正解:
【水をまいたような】静けさ
ポイント:
「水を打ったよう」は、いっせいに静まりかえるさまのたとえ。ほこりっぽい地面に水をまいたように静かになるさまをいうが、「水をまいたよう」は誤り。
8、上司に 大目玉を 食った
上司に 大目玉を 食べた
正解:
上司に大目玉を【食べた】
ポイント:
「大目玉を食う」は、ひどくしかられることをいう。「食う」は好ましくないものを身に受ける意なので、丁寧にいうつもりで「食べる」と言い換えるのは誤り。その場合「大目玉を頂戴する」となる。
9、賛成、賛成と 合いの手を入れる
賛成、賛成と 合いの手を打つ
正解:
賛成、賛成と【合いの手を打つ】
ポイント:
「合いの手を入れる」は、歌と歌の間に三味線などの伴奏楽器による演奏を入れる、また、会話などの進行に合わせて、ちょっとしたことばやしぐさを差しはさむという意味。「手拍子を打つ」との混交から、「合いの手を打つ」とするのは誤り。
10、親の光は 七光り
親の光は 八光り
正解:
親の光は【八光り】
ポイント:
「八光り」は不適切で、正しくは「七光り」。「親の光は七光り」は、親の名声や社会の地位のおかげで、子が幸いを得るという意味。「親の光」は親の威光、「七」は数が多いことをいう。