「ゲーム」問題な日本語・ことばの使い方・表現・ことわざ・慣用句の表現 (2)
下の2つの文を比べてみて、不適切な表現はどこ?
1、人のうわさも 四十九日
人のうわさも 七十五日
正解:
人もうわさも【四十九日】
ポイント:
「四十九日」が不適切で、正しくは「七十五日(しちじゅうごにち)」。「人のうわさも七十五日」は、世間のうわさは長く続くものではなく、しばらくすれば消えてしまうものだという意味。
2、顔に火が付く 思いた
顔から火が出る 思いた
正解:
【顔に火が付く】思いた
ポイント:
「顔に火が付く」が不適切で、正しくは「顔から火が出る」。「顔から火が出る」は、恥ずかしくて顔が真っ赤になることをいう。「顔に火が付く」は誤り。「火が付いたよう」は、赤ん坊が激しく泣くさまなどにいう。
3、のどから 手が出るほど 欲しい
のどから 手を出すほど 欲しい
正解:
のどから【手を出すほど】欲しい
ポイント:
「手を出すほど」が不適切で、正しくは「手が出るほど」。「のどから手を出る」は、どうしても欲しいと思う気持ちのたとえ。喉に別の手があるならば、渇いたのどからその手を伸ばしたいようなもどかしさをいう。
4、彼に 白羽の矢が当たる
彼に 白羽の矢が立つ
正解:
彼に【白羽の矢が当たる】
ポイント:
「白羽の矢が当たる」が不適切で、正しくは「白羽の矢が立つ」。「白羽の矢が立つ」は、多くの人の中から犠牲者として選び出される、また、一般に、多くの中から特に選び出されるという意味。
5、そんなことは 大きなお世話だ
そんなことは 大きいお世話だ
正解:
そんなことは【大きいお世話だ】
ポイント:
「大きなお世話だ」は、他人の助けを無用なものだとしてののしっていうことばで、「大きいお世話だ」とは言わない。一般に、抽象的な意味の名詞には、「大きい」より「大きな」を使うことが多い。
6、適当に お湯をにごしておく
適当に お茶をにごしておく
正解:
適当に【お湯をにごしておく】
ポイント:
「お湯をにごしておく」が不適切で、正しくは「お茶をにごしておく」。「お茶を濁(にご)す」は、いい加減なことをしてその場をごまかすという意味。
7、政界に 顔が広い
政界に 顔が大きい
正解:
政界に【顔が大きい】
ポイント:
「顔が大きい」が不適切で、正しくは「顔が広い」。「顔が広い」は、交際範囲が広い、知り合いが多いという意味。
8、数え 切れない ほどの 本
数え 切られない ほどの 本
正解:
数え【切られない】ほどの本
ポイント:
「数え切られないほど」は、数え上げることができない意で、非常に数が多いことをいう。「切れない」は、五段動詞「きる」が下一段化して可能動詞になった「きれる」の否定の形で、適切な言い方(ら抜き言葉ではない)。「切られない」は、五段動詞「きる」に可能の助動詞「れる」が付いた「きられる」の否定の形で、こちらも適切な言い方。現在は「切れる(切れない)」を使うのが一般的で、「数え切れない」の場合も、「数え切られない」とはしない。
9、初めての大会を 前にして 足が地に 着かない
初めての大会を 前にして 足が土に 着かない
正解:
初めての大会を前にして【足が土に】着かない
ポイント:
「足が土に」が不適切で、正しくは「足が地に」。「足が地に着かない」は、そわそわして気持ちが落ち着かないという意味。
10、一にも二にも 健康が大事だ
一にも十にも 健康が大事だ
正解:
【一にも十にも】健康が大事だ
ポイント:
「一にも十にも」が不適切で、正しくは「一にも二にも」。「一にも二にも」は、それが何より大切・肝心だとしていう語。最も大事なので、一番、二番の順列をつけないことからいう。